中国の展示会で集めた連絡先は、メールではなく WeChat で追いかけます。帰国後の成果は会期中の記録で決まるため、会場で「誰と何を話したか」を決まった型で残し、帰国後は翌日までにお礼と資料、その後1ヶ月で聞き取りと再連絡を重ねて、追う相手を絞り込みます。
この記事では、中国の展示会に出展した日本企業が、会期中に準備しておくことと、帰国後1ヶ月のフォローの進め方、送るメッセージの例をまとめます。
なぜメールではなく WeChat なのか
中国の展示会では、来場者は名刺よりも先に WeChat の QR コードを差し出してくることがよくあります。中国のビジネスでは、日常の連絡が WeChat で行われることが多く、メールは見られるまでに時間がかかったり、返事が来なかったりします。
来場者は、その場で価格や納期を聞き、他社のブースでも同じ質問をしています。帰国後に1週間かけてメールで返していると、その間に話が他社で進んでしまいます。
会期中に準備しておくこと
帰国後のフォローがうまくいくかどうかは、会期中の記録でほぼ決まります。
- 会社のアカウントで連絡先を交換する。社員個人の WeChat で交換すると、担当者が異動・退職したときに顧客が会社に残りません。会社の窓口として WeCom(企業微信)を使うと、顧客を引き継げます。
- 交換したその場で、相手の表示名を書き換える。WeChat の「備考名」に、会社名・日付・話した内容のひと言を入れておきます。帰国後に、誰が誰だったか分からなくなるのを防げます。
- 聞く項目を決めておき、全員に同じことを聞く。下の表のような項目を、ブースに立つ全員で共有しておきます。
| 聞く項目 | 例 | なぜ聞くか |
|---|---|---|
| 会社名・業種 | 自動車部品メーカー、商社 | 買う側か、売る側(代理店)かを分ける |
| 役職 | 購買担当、技術者、経営者 | 決める人か、調べに来た人か |
| 用途 | どの製品・工程に使うか | 提案できる製品を絞る |
| 数量・時期 | 年間の数量、導入の予定時期 | 本気度と優先順位を測る |
| 代理店の希望 | 販売代理店になりたいか | 買い手と代理店希望者を分けて対応する |
| 次の約束 | 見積・サンプル・資料のどれを送るか | 帰国後の最初の連絡の口実になる |
帰国後1ヶ月の流れ
| 時期 | やること |
|---|---|
| 会期の翌日まで | 全員に、お礼と電子カタログを中国語で送る |
| 3日以内 | 会期中の記録で足りない項目を、中国語で聞き取る |
| 1週目 | 返事があった相手に、見積・サンプル・資料など約束したものを送る |
| 2〜3週目 | 返事が止まった相手に、もう一度連絡する(新しい情報を1つ添える) |
| 4週目 | 相手ごとに事実を一覧にまとめ、追う相手と見送る相手を決める |
返事が止まった相手への再連絡は、1ヶ月で3〜4回を目安にします。同じ文面を繰り返すのではなく、「新しい資料ができた」「導入事例がある」など、毎回1つ新しい情報を添えます。
送るメッセージの例
最初のお礼と、聞き取りのメッセージの例です。会社名・展示会名・氏名を入れ替えてお使いください。
| 中国語 | 日本語の意味 |
|---|---|
| 您好!我是在〇〇展会上与您交流过的△△公司的□□。感谢您在百忙之中莅临我们的展位。现将我们的产品电子目录发给您,请您参考。如有任何问题,欢迎随时联系我。 | こんにちは。〇〇展示会でお話しした△△社の□□です。お忙しい中、ブースにお立ち寄りいただきありがとうございました。製品の電子カタログをお送りしますので、ご参考ください。ご不明な点があれば、いつでもご連絡ください。 |
| 请问贵公司目前考虑用在哪些产品上?大概的年需求量和计划采购的时间是什么时候? | 御社では、どの製品に使うことをお考えでしょうか。おおよその年間の数量と、購入をご予定の時期を教えていただけますか。 |
気をつけること
- 同じ文面を一斉に送らない。会期中の会話にひと言触れるだけで、返事の来やすさが変わります。
- 送る時間帯を中国時間で考える。中国は日本より1時間遅れです。相手の勤務時間内に送ります。
- 価格をその場で確定させない。数量・仕様・納期の条件を確かめてから見積を出します。
- 答えられない技術的な質問は、記録して後日答える。その場で曖昧に答えると、後で食い違いが出ます。
- やり取りを日本語でまとめて社内に共有する。中国語のやり取りが担当者の画面の中だけにあると、営業や経営が判断できません。
どの相手を追うか、どう決めるか
4週目に、相手ごとの事実を一覧にして決めます。判断の手がかりになるのは次の3つです。
- 返事の早さと、質問の具体さ(数量・仕様・時期まで聞いてくるか)
- 決める人と話せているか(役職、社内の決め方を聞けているか)
- 次の約束があるか(サンプル評価、訪問、オンライン会議など)
見送ると決めた相手も、連絡先は会社のアカウントに残しておきます。新製品や次の展示会の案内で、また接点が生まれることがあります。
よくあるご質問
返事が来ない相手には、何回まで連絡してよいですか。
1ヶ月で3〜4回が目安です。毎回、新しい資料や事例など1つ新しい情報を添えます。それでも返事がなければ、いったん見送り、次の新製品や展示会の案内で改めて連絡します。
日本語や英語で送ってもよいですか。
相手が日本語や英語を使う人なら構いませんが、多くの来場者には中国語の方が早く、正確に伝わります。特に購買担当や技術者とのやり取りは、中国語をおすすめします。
名刺しかもらえなかった相手には、どう連絡すればよいですか。
名刺の電話番号や WeChat ID から連絡先の追加を申請するか、メールでお礼を送り、その中で WeChat の QR コードを案内します。
